毎日の料理に必須の油…
健康のためには油の質が大事っていうけど何を重視して選んだらいいかな?
油は私たちの細胞やホルモンを作る大切な要素の1つ。
太りやすい、と敬遠する人も多いですが実は必須の食品なんです。
普段からよく使うものだからこそできるだけ身体にいいものを選びたいですよね。
油選びで注目すべきは原材料、製法、酸化。
油にはバターなど動物性のもの、菜種油など植物性のものがありますが、
今回は多くの家庭が日常的に使う植物油について解説します。
日常使いの油の選び方ポイント3つ(結論)
それでは詳しく解説していきます。
油の選び方1‐原材料から選ぶ
皆さんがよく買うサラダ油。
これはJASによって定められた基準をクリアした植物油のことです。
原料を1つもしくは数種類ブレンドして作られますがその原料にはそれぞれ特徴があります。
原材料ごとの特徴
油は生鮮食品。気を付けたいのは “酸化”
生鮮食品!?
腐るものじゃないのにどういうこと??
油は常温で保存できるし腐らないので賞味期限を気にしない人も多いのではないでしょうか。
けれど身体にいい油を選びたいのであれば、その考え方は今すぐに変えたいところ。
油は腐りませんが、その代わりに起こるのが酸化です。
酸素、光、熱によって油は少しずつ、もしくは急激に酸化します。
どんなにこだわって作られた油も、酸化してしまったものは体に悪影響を及ぼします。
油は原材料によって酸化の進み方が違います。
それ以外にも風味や調理後の仕上がりに特徴があるので自分の食生活に合う油を選びましょう。
原材料の違いによる油の特徴
日本で流通している主な油の特徴をまとめました。
見てもらいたい主なポイントは遺伝子組み換えの有無と酸化への強さ。
脂肪酸の一つであるオレイン酸は酸化しにくいので抗酸化の目安の一つになります。
また原材料によって特有の抗酸化物質を含むものもあり、例えばごま油にはゴマリグナンと呼ばれる
胡麻特有の成分、こめ油にはγ‐オリザノールやトコトリエノールという強抗酸化物質が含まれます。
安価な外国産遺伝子組み換え原料を使用した油に注意
安い油は外国産の大豆やトウモロコシ、なたねを主原料した遺伝子組み換えのものが大半。
ただし油には遺伝子組み換え表示の必要がないため自分で原材料を確認する事が必要です。
↓遺伝子組み換えについて詳しく知りたい方はこちら↓
遺伝子組み換えを使用していない場合、それが商品のアピールポイントになるので
“非遺伝子組み換え”や”遺伝子組み換え不使用”などと記載している場合が多いです。
コスパと使いやすさで選ぶなら菜種油(非遺伝子組み換え)かこめ油
油は原材料によって風味から仕上がりまで特徴が違い、何を選ぶかは好みで分かれる部分もあります。
ですが日常的に使う油となれば
・酸化のしにくさ
・原材料の安全性(非遺伝子組み換え)
・普段の料理に使いやすい
・たっぷり使うこともあるからコスパも大事
上記のポイントが重要になってくると思います。
そこでおすすめしたいのが加熱に強く、香りや味にくせのない菜種油と米油。
炒める・揚げる・ドレッシングなどどんなものにも使いやすく普段の料理で間違いなく大活躍です。
菜種油は遺伝子組み換えの可能性がある原材料のため、
安すぎるものは危険。必ず商品をしっかり確認しましょう。
油の選び方2‐製法で選ぶ
圧搾製法×湯洗い製法がベスト!
食用の植物油は主に原料から搾油して精製するという過程を経て製品になります。
抽出方法
まずは原料から搾油して原油を取り出します。
精製方法
搾油した油(原油)には不純物や色素、匂いがあるためそれらを精製して除去します。
↓トランス脂肪酸について詳しく知りたい方はこちら↓
製法はこだわりすぎると高価になる。優先順位をつけて選ぼう
例えば米油は原料から採れる油が少ないためほとんどが抽出法で搾油されます。
圧搾法のものは安心な反面、とても高価で普段使いはしにくいという方がほとんどです。
しかし上記で伝えたようにこめ油には強い抗酸化作用があり、酸化は油の大敵です。
製法面で見ると安全性に不安を感じる部分はありますが、
使用しやすさや酸化しにくさの点で見ればこめ油はとても優秀な油です。
原料のメリットと製法のメリット、自分が大切にしたいのは何なのかを考えてみましょう。
私は家族が揚げ物が好きでよく料理に出すので
油は酸化に強いものを優先したい。なので抗酸化力があるこめ油を選んでいます。
私は化学物質が一番気になる。
酸化耐性と金額とのバランスを見て圧搾法の菜種油を選ぼうかな。
こんな風に優先順位は人それぞれ。
最低限避けたいものを自分で考え、そのうえで妥協する選択も必要です。
油の選び方3‐容器で選ぶ
油の敵は酸化
油は空気・光・熱の影響を受けて酸化していきます。
開封した油はもちろん、未開封の油でも容器によってはどんどん酸化してしまいます。
油は生鮮食品と言う人も多いくらい新鮮さが重要で、どんなに体にいい油でも
酸化してしまったものはむしろ健康を害してしまいます。
もっとも酸化しにくい容器は缶
缶、ビン、プラスチック、紙パック…市販の油の容器は主にこの4種類に分かれますが
一番おすすめしたいのは缶の容器に入れられた油。
缶は酸素透過性が低く、光を遮断してくれるため保存時の劣化も防ぎます。
次に酸化に強いのはビン、紙パックと続きますがぜひ避けてほしいのはプラスチックです。
プラスチックは酸素を通す性質を持つためふたを閉めていても酸化していきます。
また、プラスチックは油に溶けやすく容器の内側から油にその成分が入ることリスクもあります。
早めに使い切ることも大切
どんな容器であれ、油は早めに使い切ることを意識することが大切です。
開封済みのものを長く置いておくのはできるだけ避けることをおすすめします。
大容量のものをいつまでも使い続けるよりも短い期間で使いきれる量のものをその都度買って
新鮮な油を使用することを意識するといいですね。
普段使いにおすすめの油5選
国産100%なたね油/米澤製油
北海道・青森県産の菜種を100%使用。一番搾り(圧搾)、湯洗い製法で
菜種の風味をそのまま生かした油です。
容器は缶で酸素や光を通さず酸化しづらいです。
使い切りやすい600グラム。
主な特徴
国産/圧搾製法(一番搾り)/湯洗い製法/缶容器
なたねサラダ油/米澤製油
非遺伝子組み換え菜種(外国産)を使用しておりコスパがいいのが特徴。
化学合成物質や添加物を使用しない安心の製法にこだわりを持つ米澤製油さんの菜種油です。
缶で酸化しにくく、容量が多いので4人家族~のご家庭におすすめ。
主な特徴
オーストラリア産/遺伝子組み換え不使用/圧搾製法(一番搾り)/湯洗い製法/缶容器
まいにちのこめ油/三和油脂
国産の新鮮な米ぬかを使用。
こめ油は特有の抗酸化物質を含んでいるため酸化安定性が高く、
揚げ物を家でする家庭におすすめ。からっと上がり、油切れもいいです。
くせがないので炒め油、ドレッシングなど様々なシーンで使用できます。
主な特徴
国産/抽出法/化学物質による精製/独自の抗酸化物質/紙パック容器
太白ごま油/九鬼産業
ほとんど焙煎せず低温圧搾した、香りのないごま油。
ゴマリグナンという原料のごま特有の抗酸化物質が含まれており酸化に強いのが特徴です。
揚げ油として使用しても重たくならず、油酔いしにくいのもうれしいポイント。
てんぷら屋さんではごま油を使用しているところが多いのにも納得です。
加熱だけでなくドレッシングやお菓子作りにも万能の油。
多くのスーパーでも取り扱いがあります。
主な特徴
外国産/遺伝子組み換え不使用/低温圧搾/化学物質による精製なし/缶容器
こめ油 コメーユ/三和油脂
こめ油の原料である米ぬかはもともとの油分含有量が少なく、
圧搾法での抽出により得られる油はわずかなものです。
そんな貴重な圧搾製法のこめ油は溶剤抽出のものに比べ抗酸化物質の量が8~10倍と言われています。
精製まで化学物質不使用というこだわりようで金額はお高めですが
安心安全のこめ油を求めている方におすすめです。
主な特徴
国産/低温圧搾法/スチームリファイニング法(化学物質不使用)/ビン容器
まとめ
今回は日常使いの油の選び方についてお話ししました。
遺伝子組み換え原料不使用、化学物質不使用の油はどうしても金額が高くなりがち。
気軽に使える毎日の油は自分の中の優先順位に従ってある程度妥協することも大切です。
また、油で特に気を付けたいのは酸化。酸化した油は体に悪影響しかないので
どれだけ抗酸化物質を含んでいるか、いかに酸化させないようにするかにも注目して
商品を選んでもらえたらと思います。
皆さんの快適な無添加生活のお手伝いが少しでもできたらうれしいです。
それでは、また次回!
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