無添加について調べていると遺伝子組み換えはよくない!って聞くけど
そもそもどんなもの?具体的に何がよくないの?
遺伝子組み換え技術は数十年前に登場した比較的新しい技術。
アメリカでは一部の作物の90%以上が遺伝子組み換えとして栽培されています。
これは多くの作物を輸入に頼る日本にとって関係の深いお話です。
今回は遺伝子組み換え作物がどんなものなのか、どこに遺伝子組み換え作物が使用されているのか、
そのメリットやデメリットなどを解説します。
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遺伝子組み換えとは?
農林水産省HPによると、遺伝子組み換えとは
“ある生物が持つ遺伝子(DNA)の一部を他の生物の細胞に導入しその遺伝子を発現させる技術のこと”
とあります。
遺伝子とは親世代から子世代へ受け継がれる生物の大きさや色などの形質を決定する設計図のこと。
つまり遺伝子組み換え作物とは、ある特徴を持つ作物のほしい遺伝子(形質)だけを
狙って取り出し、その形質だけを違う作物に与える品種改良技術のひとつのことです。
今までの品種改良との違い
遺伝子組み換えがよく話題に上がるけど、品種改良とはどう違うの?
遺伝子組み換え技術は、品種改良の一つ。比較的新しい品種改良技術です。
昔から行われていた品種改良のひとつは、違う性質を持つ品種同士を掛け合わせ
人間にとってよりおいしく便利な新しい性質を持つ作物を作る交配という手法。
例えば病気に強い品種とおいしい品種を掛け合わせて、
病気に強くおいしい品種ができるまで交配をし続ける、という形です。
その後作物に放射線や化学薬品を加えて突然変異を促し性質を変える品種改良も登場しましたが、
どの方法も必ず目的の性質を持った作物ができるわけではなく、偶然に頼るところが大きいため
その選別には長い時間や手間がかかります。
代わって登場した遺伝子組み換え技術は狙った遺伝子をピンポイントで違う作物に与えられるため
思った通りの性質を持つ作物を作る手間や時間を格段に減らすことができました。
日本で流通する遺伝子組み換え作物
日本では遺伝子組み換え作物は商用に栽培されていません。(観賞用のバラを除く)(2022年現在)
しかし海外からの輸入作物には遺伝子組み換え作物も多く含まれ、
ジャガイモ、大豆、てんさい、トウモロコシ、なたね、アルファルファ、パパイヤ、からしなの9品目は
遺伝子組み換え作物としての流通が許可されています。
特にトウモロコシ、大豆、なたねは輸入量の約90%が遺伝子組み換えとのことです。
日本での遺伝子組み換え作物の安全性
日本では遺伝子組み換え作物について安全性を確保する仕組みに沿って取り扱われています。
(参考:厚生労働省)
食品として、もしくは飼料として、健康面や生態系に悪影響を及ぼすことがないとしたものだけが
輸入と流通を許可されています。
しかし比較的新しい技術であることもあり、安全性に疑問を持つ専門家も複数います。
遺伝子組み換え作物のメリット・デメリット
国による安全性が認可されているものの不安視する声もある遺伝子組み換え作物。
どのようなメリットやデメリット(懸念点)があるのでしょうか。
遺伝子組み換え作物のメリット
遺伝子組み換え技術の登場によって得られるメリットは多くあるとされています。
上記以外にも多くのメリットがあるとされており、世界では遺伝子組み換え作物の
栽培面積は増加傾向にあります。
遺伝子組み換え作物のデメリット(懸念点)
では今度は遺伝子組み換え作物のデメリットについて見てみましょう。
、
デメリットに関しても様々な研究結果が示されており、研究者の中でも賛否両論です。
国によってその安全性が検証されているし、科学的に見て問題ない!と言い切る人もいれば
自然にはできることのない特徴を持つ作物が長い目で見たときに生態系や人へどのように影響するのか
というところに不信感を持つ人がいるのも現状です。
また、環境問題に関しても様々な要因が絡むため遺伝子組み換え作物を使うことで必ず良くなる、悪くなる、とはどちらとも言い切れません。
あなたも知らずに食べている!隠れた遺伝子組み換え食品
遺伝子組み換えの表示制度には義務表示と任意表示があります。
義務表示は9つの農産物とそれを主原料とした33加工食品群に定められています。(詳細:消費者庁)
(原材料の重量割合が高い上位3位のものまでで原材料及び添加物の重量に占める割合が5%以上)
遺伝子組み換え作物を使用していても表示義務対象とならない加工食品も存在します。(下記参照)
日本の遺伝子組み換えに関する表示はわかりにくい!
遺伝子組み換え作物を生活からゼロにするのはとても難しいです。
任意表示は遺伝子組み換えとそうでないものを分別生産管理し、
混入率が5%以下もしくは混入がないときにその旨を表示できる制度のことです。
現在は混入率が5%以下であれば遺伝子組み換えでない等の表示ができますが、
2023年4月からは混入がないと確実に認められるものだけ遺伝子組み換えでないとの表示ができます。
(5%以下のものは分別流通生産管理された旨の表示は可能です)
以下は遺伝子組み換えを使用していても表示の義務がないものの例です。
醤油・植物油
醤油や植物油は遺伝子組み換え作物を主な原料としていても、組み換えDNAが製品から検出されない
という理由から遺伝子組み換え作物を使用したかどうかの表示義務がありません。
ただ、遺伝子組み換え作物を使用していないことは企業にとってもアピールポイントとなるため
義務はないながらも遺伝子組み換えを使用していないことを明記していることもあります。
添加物
添加物は、その原料に様々な食品由来の物質が使われます。(植物でんぷんやタンパク質など)
その物質の原材料に遺伝子組み換え作物が多く使われます。
添加物はそもそもの使用量も少量であるため遺伝子組み換え作物を原料としたかどうかの
表示義務はありません。
動物性食品
私たちが普段から食べている肉、卵や牛乳。
動物たちの穀物飼料の多くは輸入により賄われており(穀物飼料の8割以上が輸入)、
その穀物のほとんどが遺伝子組み換え作物です。
動物たちがどんなものを食べて育ったのか、飼料の表示の義務はないため消費者にはわかりません。
スーパーで販売されている動物性食品のほとんどは遺伝子組み換え作物によって育てられたものです。
外食
普段のお買い物では遺伝子組み換え食品に気を付けていても、どうしても避けられないのが外食。
テーブルに置かれる調味料から食材や調理に使用される油まで産地や原材料、遺伝子組み換えかどうか
を記載する義務はなく、私たち消費者が情報を得ることはとても難しいのが現状です。
基本的にこだわりのあるお店はそのこだわりをしっかり表示してあるところがほとんどです。
表示がないお店に関しては遺伝子組み換え食品を使用している可能性が高いです。
遺伝子組み換えの良い悪いは別にして、
表示をしっかりしてくれれば自分たちで好きな方を選択できるのに…。
まとめ-選択は個人の自由
遺伝子組み換え作物に関してはメリット・デメリットのどちらも数多くあり
結局どちらが正しいのかわからない…と思う方も多いのが現状です。
もちろん、国によって安全性は確認されていますがそもそもの歴史がまだ浅く、
長期的に見たときに環境面・健康面にどのような影響を及ぼすのかわからないことも事実です。
食べても何ともない人もいれば、慢性的な体調不良に苦しむ人もいます。
これからも住み続ける地球環境へ、長期的に見てどんな影響があるのかは誰にもわかりません。
ここで大切にしたいことは、選択は個人の自由だということ。
便利さを優先したい人、食費を抑えたい人、伝統的な農業を大切にしたい人、
デメリットにリスクや不安を感じる人…どんな人にも選ぶ自由があります。
いい悪い、正しい間違ってるは人によって答えが変わるあいまいなものです。
自分で知ってどうしたいかを考え選択することが大切です。
あなたの無添加生活が少しでも楽になるお手伝いが出来たらうれしいです。
それでは、また次回!
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